海外出張中の飛行機で鑑賞.ロバートレッドフォードの逃亡者?と思ってみたら,いわゆるハリソンフォードとか吉田栄作とかのやつではない.2003年の小説が下敷.日本未公開(10月公開予定)だったのね.ということで軽く感想を.
国際線用の吹き替えとかってどこがやってるんのかわからないが,声優が全体的にちと微妙だった.特にストーリー廻しの中核を担う記者の演技が棒読みっぽいのがちょっと.彼をどう捉えるかで結構ストーリーの重みが違ってくると思うのだけれど,彼には感情移入できなかった.
全体としてはウェザーマンという学生極左組織の過去の犯罪を巡ってメインストーリーは展開するのだが,その裏には理想を追う若者と,家族を守る年齢を重ねた大人,との対比があるようにも見れる.それは主人公(と仲間達)の過去と現在であり,主人公と記者の対比でもあるのだろう.
言いたいことはわかるが,いろいろと描いた割には最後に彼女がどうしてあの決断をしたのかという説得力が少し弱く感じた.伏線を見落している可能性はあるが.
ちなみにウェザーマンは実在したらしい.もっとも,Wikipedia等の情報によれば,彼らのテロによって死亡した人はいなかったとのことだ.
彼らのテロにより結果的に反戦運動への締め付けが厳しくなったというのが09.11以降との比較で今語られるべき文脈なのかもしれないが,既にNSA vs. スノーデンで見られるように時代のほうが先行している感も拭えない.
いろいろ考えさせられるという意味では良作なのかも.