バブル後入社であまり贅沢し慣れておらず,チケット手配も普通ネットだろうという一般リーマンが,そろそろいい年になってきたので作れるようになった上級カードをどう使っていくのがいいか,身の丈にあった利用方法や少し背伸びした使い方を試行錯誤してみるブログです.

2012/05/03

パラサイト中年300万人に,ってひどいラベリングだな

毎日新聞の記事より,パラサイト中年:300万人に 失業率は世代平均の倍.90年代に指摘された20~30台のパラサイトシングルのなれのはて,ということらしい.


ちなみにパラサイト・シングルの提唱者は中央大学の山田昌弘教授.各社社会(提唱者ではないようだ),婚活(白河桃子と共同提唱)等,言葉の選び方のセンスが優れているようだ.


さて,記事自体はいまいち主張点がよくわからず,依存を責める論調から結婚できない問題のほうに誘導して近頃の若い者は的論に持って行きたいように読めるが,本ブログの過去記事「35歳すぎて結婚できる男は3%というが,1割が5年以内に結婚できるという希望的なニュースとも」でも述べたようにちょっと読み方に恣意性が入ってるんじゃないかという気も.こちらのデータは元ネタ(厚生労働省21世紀成年者縦断調査)まで読んでないので,確認後また触れるかも.

で,元ネタがちょっとわかりにくいところにあったが,なんとか掘り起こしに成功したのでリンク.様々な家族形態に関する研究分析というコーナーにある,「親と同居の未婚者の最近の状況 その9 」がそれだ.2005年から継続的に追っかけているようだ.ついでに同じように資料掘り起こしている人(メモノメモ)を見つけたので,こちらを読めば充分かもしれないが,せっかくここまで追いかけたので続ける.

メモノメモのほうでも指摘されているが,「パラサイト中年」という扇情的な語をつけたのは毎日新聞の記者のようだ.元資料のほうでは,単純に親と同居の未婚者であるというだけでは依存関係は不明であり,依存なしに同居している者や介護・支援のために同居している者も含まれるとエクスキューズしているのに比べると,無責任の謗りは免れないだろう.

この記事を見て思い出したのが,「日本は大家族制に戻っていく?(橘玲)」と「今、日本で起きていることの傾向と対策。」だ.どちらも興味深い考察であり,経済格差が拡大する中で一人あたりの生活コストを下げるためには同居や大家族化は避けられないだろうとしている.橘玲ははっきりと,"成人しても実家で暮らす“パラサイト”が話題になりましたが、これはきわめて経済合理的な選択です。"とまで述べている.

であるとすると,「近頃の若い者は」論から「古き良き共同体」を目指す世界に一転するわけか.一方で年金頼りで介護の末に共倒れ,という暗澹たるシナリオもないわけではない.そこは65歳までの雇用確保でなんとか延長を.でもその原資は当該世代からむしり取るわけで,やはりなにか世代間の資源配分に失敗しているような気がロスジェネ世代としてはするわけだ.と,やはり暗いオチになってしまった.

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