以下は年収ラボのサラリーマン平均年収の推移からのグラフである.このグラフ自体は恣意的な切り取り方をしている可能性はあるものの,国税庁の調査「平成22年度民間給与実態統計調査」からの引用となっているため,転職を煽る方向にノイズがかかっていたり,登録者のバイアスがかかっているようなサイトに比べれば信用性は高いだろう.で,誰しもが気になるこの平成21年度の急激な落ち込みが見られる.
縦軸が0から始まっていない典型的な統計で嘘をつくためのグラフではあるが,それにしても5%以上もの落ち込み幅は大きいように見える.業種別に見ると情報通信業が8%落ち込んでおり,これが大きいようだがこの年になにかあったかな.サブプライム・リーマンショックの影響によるIT投資の凍結,あたりだろうか.いろいろ調べたけど原因はよくわからず.本統計にはパート従業員等も含まれているので,そのへんもうちょい詳細の統計資料を見る必要はあるか.あと年齢構成とかも影響しているのかも.逃げ切り世代が抜けた後の状況は(世代的にも)興味があるので,また調べる予定.
年収の数値自体は,最近(おそらく2011年?)の調査で先日取り上げた「首都圏20~30代独身サラリーマン・OLの住居実態」で424万円.首都圏なので少し高目な一方で20~30代独身なのでこちらは低目に作用しているのと,値はだいたい合っているか.
ところでこの調査,震災前のものなので今年度分ではさらなる落ち込みが予想される.また,業種別統計では年収1位は「電気・ガス・熱供給・水道業」となっているので,これもさすがに落ち込むのではないかなと.ちなみに2位以下は順に金融業・保険業,情報通信業,学術研究・専門・技術サービス業,5位になってようやく製造業となっている.
ついでにいろいろ探していたらこんなものも発見.民間給与実態統計調査の民間委託について(案) (pdf注意).調査対象事業者数が29,000.予算額が2,520万円也.郵送でやってるにしては意外と安いと見るか,DB叩けば一発なのにこんなに金かけやがって,と見るか.
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