いささか旧聞(2011/11/16)に属するが,NTTドコモがトランザクション・メディア・ネットワークス(以下TMN)の増資を引き受け,三菱商事(33.44%),トヨタファイナンシャルサービス(27.96%)に続く第三位の株主(20%)になった(プレスリリース).増資額は3億2250万円.
ふーん,と思ってプレスリリースをよくよく読んでみると,「2012年度冬を予定している、TypeA、B規格に対応したモバイル非接触ICサービスの提供開始に向け」とサラっと書いてあった.まぁ,規定路線ではあるのだろうが.ここまではっきりと書かれているのは初めてのような気がする.
Google Walletを紹介した記事でも少し触れたが,TypeA, B は国内では社員証や住基カード等で発行枚数はそれなりに稼いでいるものの,電子マネーとして一般的な決裁で使われているのはほぼ Felica 独占状態な一方で,少し遅れてICカードが流行した欧米では NFC 全盛&対応可能なのは今のところ TypeA, B という状況.なので,Androidのグローバル端末なんかに載って来るのは基本TypeA, B対応のNFCになる.
TMNは店舗に配備されるICカードリーダー端末の会社で,シンクライアント型で端末コストが安価であるというのが特徴.ドコモの狙いは,TypeA,B利用可能な基盤整備ということなので,意外と急速にグローバル勢が攻め込んでくることを予測しているのかもしれない.
もともとは三菱商事とトヨタファイナンシャルサービスとの共同出資会社だったようだが,NTTデータ,IIJが出資,その後今回のドコモの出資となったようだ.IIJもNTT資本が入っているので,実質的にはほぼNTT系が筆頭株主ということになる.端末の寡占化は近いのかもしれない.
一方ソニーはNFC, Felica一体化チップの開発には成功している模様.各種記事にも出ているが,Suicaに代表される鉄道向けFelicaでレスポンスタイムを稼ぐのに苦労している印象を受ける.
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