バブル後入社であまり贅沢し慣れておらず,チケット手配も普通ネットだろうという一般リーマンが,そろそろいい年になってきたので作れるようになった上級カードをどう使っていくのがいいか,身の丈にあった利用方法や少し背伸びした使い方を試行錯誤してみるブログです.

2011/11/18

生命保険料控除の廃止に向けた動き

毎日新聞の記事しか発見できないので飛ばし記事な可能性もあるが,生命保険料控除廃止に向けた動き「生命保険料:控除を縮小・廃止で見直しへ…民主党税調」についての報道.最初に結論を書いていおくと,私的には廃止しちゃってもいいんじゃないかと思っていたりする.
民主党税制調査会(藤井裕久会長)は15日、所得税などに適用される生命保険料控除を縮小・廃止の方向で見直す検討に入った。預金など他の金融商品との公平性や中立性を保つべきだとの指摘を受け、生命保険を優遇する現行措置を改めるべきか議論する。しかし、保険契約者には増税となるため党内の異論は強く、生保業界などの猛反発も予想され、実現するかは見通せない。
たばこ農家を支持基盤に持つ自民党の反対でたばこ増税を見送ってしまうような政権に,かなり強力な献金実績(これも自民党宛て!)を持つ保険業界に不利になる増税は多分無理だろうなと思いつつ.丁度年末調整用に調べたところだったので,簡単に.
そもそも「控除」というのは,所得税や住民税等で税金を算出するベースとなる所得から割り引ける部分のことを指す.サラリーマンの場合,所得税の税率は課税所得に応じて決まる.具体的にはこちらの表を参照.330万~695万が20%,695万~900万が23%,等となっている.ただ,この課税所得は単純な年収とは異なる.もともとの年収から各種控除を引いたものが課税所得になるのだ.

サラリーマンの場合,まずは給与所得控除でかなり引いてもらえる.360万~660万の場合で収入金額×20%+540,000円,660万~1000万で収入金額×10%+1,200,000円になる.さらにここから社会保険料控除や医療費控除等が引かれていくわけだが,その控除の中に生命保険料の控除も含まれているわけだ.

で,元記事だと,10万円だった控除が来年から12万円になるものを,その後廃止することを検討,とあるので結構な金額だなぁ,と思った人もいるだろうが,実際に税金の金額としてはそれほどたいした額ではない.現行制度では生保で5万円,年金で5万円が最大の控除.全額突っこんでる人はそれほどいないと思うが,生保と年金の両方にそれぞれ年10万円以上支払っている場合に最大の控除額となる.

ではその時の税金を計算してみよう.例えば年間給与が600万円と1000万円でそれぞれ計算してみる.計算が面倒なので,一番大きい前述の給与所得控除だけ適用してみると,それぞれ600-(600×20%+54)=426万円,1000-(1000x10%+120)=780万円.ということで,税率はそれぞれ20%,23%となるので,10万円×20%,23%がそれぞれ所得税の軽減分になる.さらに一律10%の住民税も軽減だが,こちらは上限控除金額がそれぞれ35,000円なので,35,000×2×10%が軽減分になる.よって,合計額の2万7000円,3万円がそれぞれ控除によって軽減される額になる.

こうやって見ると,あまり保険に頼る気がない身としては最大でこれならたいした額じゃないなぁと感じるが,どんなもんだろう.所得税の税率が変わるギリギリ一杯のところ,上の例だと給与所得控除前で870万円前後の収入がある人とかだと頑張る価値はあるかもしれないが.

まぁ,保険会社が「節税になりますよ」とか言いながら,最大でも3万円の節約のために20万円の保険を売りつけるための口実にされていることを考えると,こんな制度はさっさと廃止して,元の報道にもある通り預金など他の金融商品との公平性を高めたほうがいいだろう.が,前述した通り,多分無理だろうな.

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