読売新聞の記事「サインレス買い物で詐欺未遂、暴力団幹部ら逮捕」.一瞬サイレンス買い物(いつのまにか買い物している!)に空目したのはさて置き,このニュース自体は10月の既報,「偽造カード:「サインレス決済」悪用 5容疑者を逮捕」(毎日jp)の黒幕に暴力団幹部がいた,というもの.元のニュースを知らなかったのだが,マレーシアでスキミングされた大量のクレジットカードデータを500万円でネット経由で購入し,このデータを元に偽造カードを作成,買い子を雇って換金性の高いたばこやビールをサインレスで購入とある. 昨年6月からおよそ3000万円相当を荒稼ぎ,とあるのでかなり大規模な犯罪だった模様.
ちなみにこのサインレス,コンビニやスーパー,駅の売店等で重宝している人も多いと思うが,実は日本独自の制度.ディズニーランドで混雑緩和に1988年に導入され,その後90年に西友やローソンに導入,と意外に歴史は浅い.拾ったカードや今回のような偽造カードでも使えてしまうという風にセキュリティのリスクは高いわけで,最近はクレジットカードのICチップ+暗証番号や電子マネーの導入でセキュリティレベルを上げているようだ.とはいえ,未だにICチップを載せないクレジットカードも結構ある(手持ちだとダイナースカードとか)ので,全面廃止は勘弁してもらいたいところ.利便性とのトレードオフではあるのだが.
昨今クレジットカードの異常利用検知システムはだいぶよくできているので,同じカードを2回使えば,まともなカード会社であればほぼ検知できるんだろうなとは思いつつ,リアルタイムで売上げを計上しない古いシステムなんかが残ってると,そのへんのチェーンを集中的に狙ったりとかするとゴニョゴニョ.ていうか,500万円投資してこの規模での金額を荒稼ぎしたというのは,「経験的に知っていた」どころではなく業界関係の協力者がいてもおかしくないような.あるいはただのクレジットカードマニア?
なお,先のニュース,警視庁組織犯罪対策特別捜査隊によるとこの手のサインレスの仕組みを悪用した偽造カード事件の被害額は今年に入ってからだけで計約一億円に上ると推計しているようで,そのうち3000万円相当のグループを挙げたのはたいしたものだなと.
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