バブル後入社であまり贅沢し慣れておらず,チケット手配も普通ネットだろうという一般リーマンが,そろそろいい年になってきたので作れるようになった上級カードをどう使っていくのがいいか,身の丈にあった利用方法や少し背伸びした使い方を試行錯誤してみるブログです.

2012/01/25

春闘,経団連は定昇凍結の可能性に言及

昨年末の「経団連が定期昇給の見直し議論を」の続報.経営労働政策委員会報告を経団連が正式発表.「ベース・アップの実施は論外」とし,定期昇給も「延期・凍結も含め厳しい交渉を行わざるを得ない」と明記したとのこと.


前の記事にも書いたように,自動的に給料が上がる制度としての定昇(≒年齢給)の話であれば何を今更というところなのだが,賃金カーブ(定昇)となっている報道もあり,これは広義の定昇の話をしているようだ.賃金カーブ維持分としての定昇と,自動的に昇給する制度としての定昇がある,と考えるのがわかりやすいだろうか.自動的に昇給する年齢給は既に多くの企業で廃止されているが,1年で1歳年上の人に追いつく,累積的要素がある昇給部分(実質的には年齢要素ではあるのだが)について今回は議論されてると考えられる.

さて,今回の報道の中で興味深かったのは以下の部分.
報告に定昇の「延期・凍結」を記述したのは03年の「延期」、04年の「廃止」以来。08年のリーマン・ショック後でもこうした厳しい表現はなく、……
 ということなので,それなりに意図がある表明に見える.近年は経営労働政策委員会報告は目次のみオンラインで公表するようになっているようだが,該当する2003年2004年の報告は概要がオンラインに存在するのでリンクしておこう.それぞれ該当部分を引用しておくと,
デフレ・スパイラルが危惧される状況下での合理的賃金決定のあり方が問われているが、企業の競争力の維持・強化のためには、名目賃金水準のこれ以上の引き上げは困難であり、ベースアップは論外である。さらに、賃金制度の改革による定期昇給の凍結・見直しも労使の話し合いの対象になり得る。(2003年)
一律的なベースアップは論外であり、賃金制度の見直しによる属人的賃金項目の排除や定期昇給制度の廃止・縮小、さらにはベースダウンも労使の話し合いの対象となり得る。短期的な業績向上による成果配分は、賞与・一時金によって従業員に還元していくべきである。(2004年)
これらを見る限りでは,年功要素の排除について言及しているようにも読める.今でも残る,さらなる年功要素の排除を主張しているのだろうか.あるいは単にその場凌ぎの定昇凍結を指しているのか.定昇凍結とは,従来給与表を見直していた時期を半年とか一年後ろにずらす行為を指す.つまり,みんなその凍結期間中は同じ給料で頑張ってね,ということでその場はある程度しのげるわけだ.士気は結構下がるのではないかと思われる.

過去の記事では,電機業界で定昇が延期されたことがあるようだ.確定記事が見つけられなかったが,2009年春闘2002年の記事(どうもこれは春闘後に引っくり返したようだ……)等が引っかかる.2003年の経団連提言とか多分後追いだなという感じなので,騒がれてるほどの影響はないんじゃないかなぁ.


0 件のコメント:

コメントを投稿

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

zenback