バブル後入社であまり贅沢し慣れておらず,チケット手配も普通ネットだろうという一般リーマンが,そろそろいい年になってきたので作れるようになった上級カードをどう使っていくのがいいか,身の丈にあった利用方法や少し背伸びした使い方を試行錯誤してみるブログです.

2011/09/18

トリレンマ世代とロスジェネ世代


さて,先日の投稿で取り上げた記事,"「時間価値」~年収1千万円の人はなぜ郊外に家を買ってはいけないか"の中で少し気になったのが,「トリレンマ世代」という言葉.「ロスジェネ世代」をタイトルに掲げている本ブログだが,30代後半を指すとされるこのトリレンマ世代については恥ずかしながら初耳であった.ちなみに今更ではあるが,ロスジェネ世代は1970年代から80年代産まれを指すので,前半部分がこのトリレンマ世代に相当するようだ.



言葉の由来は二つの項目が両立せずに悩ましいことをジレンマというのに対して,三つの項目が対立して悩ましいをトリレンマと呼ぶことから来ており,一般的(どちらかというと学術系)にもそれなりに「トリレンマ」という用語が用いられている.で,一般的な用語として確立しているかというと微妙.大元は2011年2月のフィデリティ投信のレポート「30歳代の退職準備懸念-親の介護、自分の老後、子供の教育を同時に抱えるトリレンマ世代」(pdf注意)のようだ.

この世代は晩婚化の影響で出産時期が高齢化し,そのため子供が成長して教育費がかかる時点で退職時期が近づき,さらには親の介護も抱えることで三重苦になる傾向があるとの分析.今後5年でその潜在数は220-230万世帯に上ると推計.


確かに20年後の家庭像を推計すると,90歳近い親,60歳の自分,20歳の子ということで陰鬱なる未来と言えなくはないだろう.ただ面倒が見れないものは仕方ないし,上の世代から現役世代への資産移転も進んでいないわけで,上も下も自分でなんとかするしかなければなんとかするのではないかなと.それより自分達の非正規雇用とワープア問題をまずなんとかしないとね.

ちなみにもともと親の介護と子供の教育が同時になってしまう世代を「サンドイッチ世代」と呼んでいた(こちらはアメリカの社会学者の定義,Drothy Miller, 1981)が,2010年の調査では,このサンドイッチ世代は生産年齢人口比率で見ると中国は高く37%,米国は低く13%とある一方,社会保証システムが整備されている日本では低めで6%となっている.この調査をベースにして,それでも90代になれば介護が必要だろう,というのがこのレポートの組み立てだが,ちょっとセンセーショナルを煽り過ぎかなとも.ちなみにレポートの作者は野尻哲史フィデリティ退職・投資教育研究所所長.レポート自体の主旨からしても,最終的にはこの世代は老後資金が準備できてないので投信を買いましょう,というオチに持ってくるためのものなのでポジショントーク的ではある.多分流行らないんじゃないかな.

以下は同一著者による新書.何冊か出しているが,立場的にも投資に手を出したことがない人に,それだと老後がやばいっすよと勧める本のようで,個人的には今更かなという印象.アンケート結果が豊富に掲載されているようなので,マーケティングというか市場の方向性を読むにはこういうのも読んどいたほうがいいのかもしれない.


0 件のコメント:

コメントを投稿

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

zenback